鰹のたたきは、炙った鰹を切り身にして薬味をのせて手や庖丁でペシペシと叩いているからたたき。それをしていなかったらたたきとは言えないのよねー、ホントはね。
表面を炙るのは、固い皮が焼けるといて食べやすいからで、炙っただけだったら炙り焼き。藁で炙ってたら藁焼きなわけ。
で、たたきを買ってくると玉虫色に光ってて、新鮮~と思っている人も結構いるようなのですが、鮮度の良い鰹はまったく玉虫色には光っていませんので。
春先の鰹は初鰹で皮目は脂があるけど身は血の色の濃い赤身。 秋を過ぎると北の登っていた鰹が南に降りてくる、つまり戻ってくるから戻り鰹で、身にも脂を蓄えているのでトロ鰹󠄂と呼ばれたりもしていますね。
たたきの本場と言えば高知ですよね~。 その高知では塩で食べることが多いとか。 確かに、ぽん酢醤油で食べるよりも塩のほうが、身の甘味が際立ちます。 でもこれは鮮度の良い鰹だからこそで、鮮度が落ちると血の味が立ってくるので酸味で消したくなります。
塩気がハッキリしていて酸味も良い仕事をしてくれるのは何? …と言う連想妄想からこのたたきに行き着きました。 はぁ~、前置き長っ!

●材料(4人分) 鰹・・・・・・・・・・1節 青じそ・・・・・・・・5枚 長ねぎ・・・・・・・・1/2本 新生姜・・・・・・・・20g
にんにく・・・・・・・1片 塩 <A> 梅肉・・・・・・・・大さじ2 しょうゆ・・・・・・大さじ1/2 出し汁・・・・・・・大さじ21/2 ●作り方 (1)鰹は塩を振ってペーパーで包み、冷蔵庫で30分ほど置きます。
★冷凍庫でも良い。後で直火熱が中に伝わらないよう冷やしておきたいのです。
青じそはせん切り、長ねぎは長さ3等分に切って白髪ねぎに、新生姜は皮をむかず にせん切りにします。
にんにくは超薄切りにします。
★写真ににんにくは見事に写っていませんねー。
(2)直火でよく焼いた網に鰹を皮を下にしてのせ、焼き網ごと動かしながら最大の強火で
皮をよく焼き、身のほうは軽く炙ります。
★皮の端の焼きが足り無いことが多いので、端に気を遣ってね。
身はホントに軽く。極端なことを言えば炙らなくても良いぐらい。
(3)2を大きめのポリ袋に入れ、氷水にゆっくりと沈み込めて冷まし、冷めたら引き上げ
て袋から出し、表面をペーパーで拭きます。
★袋に入れることで直接水に触れないので身が水っぽくなりません。
袋の口を閉じてしまうと空気が抜けていきません。
沈めた水圧で空気が押し出されて真空に近い状態にしたいので閉じないように。
(4)切り込みを入れ、次は切り離しを繰り返して刺身を造ります(八重造り)。
★一切れが本を開いた状態になる。…と言うのでわかってもらえるかなー。
(5)4の刺身の切り込みに青じそ・長ねぎ・新生姜・にんにくを挟んで盛りつけ、
Aをかけます。
★梅肉は間違ってもチューブを使わないでよ。色々味が付いているからね。
ここで言う梅肉は、梅干しを叩いてペースト状にしたもののことです。